自己肯定感とは、「自分は価値のある存在だ」「自分にはできることがある」と自分自身を肯定的に捉える感覚です。この自己肯定感が低いことも、ゴミ屋敷化と関連があると考えられています。自己肯定感が低い人は、自分自身に自信が持てず、「どうせ自分にはできない」「何をしても無駄だ」といった否定的な考え方をしやすい傾向があります。この思考パターンが、部屋の片付けという行為にも影響を及ぼします。自己肯定感が低いと、「綺麗に片付けるなんて自分には無理だ」と最初から諦めてしまったり、少し片付けをしても「これくらい綺麗にしたって、どうせ完璧じゃないし意味がない」と自分の努力を認められず、モチベーションを維持できなかったりします。また、「自分はだめな人間だ」という自己否定的な気持ちが強いと、自分自身の生活環境を整えることへの関心が薄れてしまいます。「こんな汚い部屋に住んでいる自分は価値がない」と感じ、さらに自己肯定感を低下させてしまう悪循環に陥ることもあります。部屋がゴミ屋敷状態であることは、本人にとって大きなストレスであり、さらなる自己肯定感の低下につながります。汚れた部屋にいると、心身ともに疲弊し、気分も落ち込みやすくなります。また、部屋を見られるのが恥ずかしいと感じ、友人や家族との交流を避けるようになることで、社会的に孤立し、孤独感が増すという悪循環も生じます。この孤独感は、前述のようにセルフネグレクトや物の溜め込みを加速させ、さらに部屋の状態を悪化させる原因となります。自己肯定感の低さがゴミ屋敷化に影響している場合、単に部屋を物理的に片付けるだけでは、根本的な解決にはつながりません。片付けと並行して、自己肯定感を高めるためのアプローチが必要です。