意外に思われるかもしれませんが、「完璧主義」的な傾向を持つ人も、ゴミ屋敷化しやすい心理状態にあることがあります。完璧主義者は、物事を完璧に行いたい、失敗したくないという気持ちが非常に強いです。この傾向が片付けにどう影響するのでしょうか。まず、「完璧に片付けなければ意味がない」と考えすぎてしまい、なかなか片付けに着手できない、というパターンがあります。少しだけ片付けても、理想とする完璧な状態には程遠いため、「やっても無駄だ」と感じてしまい、途中で挫折したり、最初から諦めてしまったりします。また、完璧主義者は、物事の優先順位をつけるのが苦手な場合があります。全ての物を完璧に分類し、完璧な場所に収納しようとするあまり、かえって作業が進まなくなります。一つ一つの物に対して、必要か不要か、どこにしまうべきかといった判断に過度に時間をかけすぎ、結果として疲弊してしまい、作業が停滞してしまいます。「完璧な計画を立ててからでないと始められない」と考え、いつまでも計画段階から抜け出せないこともあります。理想が高すぎるため、現実とのギャップに苦しみ、行動を起こすことが難しくなるのです。完璧主義の人は、失敗を恐れる気持ちも強いです。「せっかく片付けても、またすぐに散らかしてしまうのではないか」という不安や、「片付けたのに綺麗にならなかったらどうしよう」といった失敗への恐れから、片付けを避けてしまうことがあります。片付けは終わりがない作業であり、常に物の出入りがあるため、完璧な状態を維持し続けるのは不可能です。しかし、完璧主義者はその「不完全さ」を受け入れるのが難しいため、片付けに対するモチベーションを維持しにくい傾向があります。さらに、完璧主義者は、他人からの評価を過度に気にする傾向があります。「もし誰かに部屋を見られたら、なんて思われるだろう」という不安が強く、完璧に片付いていない部屋を他人に見られるのが耐えられません。そのため、来客を避けるようになり、結果として社会的に孤立し、さらに片付けが進まないという悪循環に陥ることもあります。完璧主義的な傾向を持つ人がゴミ屋敷化を防ぐ・改善するためには、完璧を目指すのではなく、「まずは少しだけ」「できる範囲で」といったように、ハードルを下げて片付けに取り組むことが重要です。